研修の出席簿|あとから証明できる形で残す
研修をやったあと、誰が出たかを聞かれる場面があります。監査、助成金の申請、資格の更新、事故が起きたあとの確認。
そのときに要るのは「やった」という記憶ではなく、誰がいつ何を受けたかが分かる紙です。出席簿はそのための記録で、作るのに時間はかかりません。かからないのに、無い会社が多くあります。
この記事では、研修の出席簿を、入れる項目・本人に書いてもらう理由・オンラインでの取り方・保存の期間・求められる形までまとめます。
この記事の内容(11項目)
研修の出席簿に入れる項目
あとから証明できる形にします。
| 項目 | 無いと困ること |
|---|---|
| 研修の名称 | 何の研修か分からない |
| 実施日・時間 | いつ、何時間受けたか分からない |
| 場所 | どこでやったか。オンラインならその旨 |
| 講師 | 誰が教えたか。社内か社外か |
| 内容 | 何を教えたか。項目だけでよい |
| 受講者の氏名と署名 | 誰が出たか |
| 所属 | 部署。異動があっても追える |
ポイントはここです。「時間」を入れておくと、使える場面が増えます。助成金や法令上の教育では、何時間受けたかが要件になることがあります。
5つ目の内容は、細かく書く必要はありません。カリキュラムの項目を並べれば足ります。
そのうえで、使った資料の名前も書いておくと、あとで何を教えたかを確かめられます。
指導の記録そのものは指導記録の書き方にまとめてあります。
出席簿は本人に書いてもらう
担当がまとめて記入すると、証明の力が弱くなります。
本人の署名があると、その人が確かにその場にいたことを示せます。代筆や事後の記入では、それができません。
| 取り方 | あとで使えるか |
|---|---|
| 本人が署名する | いちばん確か |
| 本人が氏名を記入する | 使える |
| 担当がチェックを入れる | 社内の記録としては足りる |
| あとからまとめて入力 | 証明としては弱い |
押印まで求めるかは、会社の考え方によります。署名で足りる場面がほとんどです。
書いてもらうタイミングは、開始のときか終了のときかを決めておきます。途中で帰った人がいる場合、開始時だけだと実態と合いません。
長い研修なら、午前と午後で2回取る形もあります。
オンラインの研修で出欠をどう取るか
署名がもらえないので、別の形にします。
- ツールの参加ログ。入室と退室の時刻が残る
- チャットで名前を書いてもらう。開始と終了に
- フォームで受講の報告を出してもらう。終了後
- 画面に映った人を記録する。人数が少ないとき
1つ目がいちばん手間なく残ります。ただし、入室したまま離席している場合は分かりません。
そのため、3つ目と組み合わせます。受講後にフォームで簡単な報告を出してもらえば、実際に聞いていたかの材料になります。
理解度の確認まで入れる形は研修の理解度テストにまとめてあります。
ログを残す場合は、保存の場所と期間も決めます。ツールの中に置いたままだと、契約が切れたときに消えます。
eラーニングの受講記録
集合の研修とは形が変わります。
システムの中に受講の記録が残るので、出席簿を別に作る必要はありません。
| 確かめること | なぜ |
|---|---|
| 誰が、いつ、どこまで進んだか | 修了の判定に使う |
| 修了の条件 | 全部見たら修了か、テストがあるか |
| 記録を出力できるか | 監査や助成金で紙が要ることがある |
| 契約が切れたらどうなるか | 記録が消えることがある |
3つ目と4つ目が大事です。システムの中に記録があっても、出せなければ証明に使えません。
そのため、年度ごとに出力して保存する形にしておきます。締めの時期にまとめて出せば、手間は1回です。
受講の管理そのものは研修管理の方法にまとめてあります。
出席簿が求められる場面
実際に出す場面を知っておくと、何を残すべきかが決まります。
| 場面 | 見られるところ |
|---|---|
| 助成金の申請 | 時間数、受講者、内容、講師 |
| 監査・審査 | 教育の計画と、実際にやった記録の対応 |
| 事故が起きたあと | その人が必要な教育を受けていたか |
| 取引先からの確認 | 資格や教育の状況 |
| 行政の調査 | 法令上必要な教育の実施 |
3つ目がいちばん重い場面です。必要な教育を受けさせていたかが問われます。
そのため、法令で決まっている教育については、とくに記録を確実に残します。保存期間が定められているものもあります。
2つ目では、計画と実績の対応が見られます。計画だけあって実績が無い、という形が指摘になります。
年間の計画は年間教育計画の立て方にまとめてあります。
出席簿の保存期間を決める
種類によって違います。
法令で保存期間が決まっている教育があります。安全衛生の特別教育がその例で、記録の保存が求められているとされています。
| 種類 | 考え方 |
|---|---|
| 法令で決まっている教育 | 定められた期間。確かめて決める |
| 助成金を使った研修 | 助成金の要件に従う。長めのことが多い |
| 社内の研修 | 会社で決める。在籍期間中が目安 |
| 資格の更新にかかわるもの | 次の更新まで |
迷ったら長いほうに合わせます。捨ててから求められると、取り返しがつきません。
そのうえで、置き場所を1か所にします。種類ごとにバラバラだと、探すのに時間がかかります。
資格の期限管理は資格管理の方法にまとめてあります。
出席簿から個人の記録にまとめる
研修ごとの出席簿だけだと、1人が何を受けたかが見えません。
あとから聞かれるのは、たいてい人単位です。「この人は必要な教育を受けているか」という形です。
そのため、出席簿とは別に、人ごとの一覧を持ちます。
| 列 | 入れるもの |
|---|---|
| 氏名・所属 | 誰か |
| 受けた研修の名称と日付 | 何をいつ |
| 時間数 | 合計を出せる |
| 修了・未修了 | 途中で終わっているものが分かる |
出席簿から転記するのは手間ですが、研修が終わるたびに数行ずつなら続きます。
個人ごとの育成の記録と合わせて持つ形もあります。個人別の育成計画にまとめてあります。
この一覧があると、異動や昇格のときにも使えます。
欠席した人をどう扱うか
出席簿は、出た人の記録であると同時に、出ていない人の記録でもあります。
予定していた人が全員出たかどうかが、そこで分かります。
| やること | 中身 |
|---|---|
| 対象者の一覧を先に作る | 誰に受けさせるかを決めておく |
| 出席簿と突き合わせる | 出ていない人を洗い出す |
| 理由を確かめる | 都合か、忘れか、伝わっていなかったか |
| 次の機会を決める | いつ受けるか |
1つ目が無いと、出た人しか分かりません。「対象10人中8人が出席」と書けるのは、対象を決めているからです。
法令で決まっている教育の場合、受けていない人がいること自体が問題になります。放置せずに次の機会を作ります。
フォローの進め方は研修の欠席者フォローにまとめてあります。
出席簿の様式を1つに決める
研修ごとに違う紙を作ると、あとで探しにくくなります。
1つの様式を作って、研修の名称と日付だけ変える形にします。
- 上の欄。研修名・日付・時間・場所・講師・内容
- 表の部分。番号・所属・氏名・署名
- 下の欄。対象者数・出席者数・欠席者と理由
3つ目を入れておくと、あとで数えなくて済みます。その場で書けば10秒です。
紙のサイズはA4に収めます。大きい紙は保管しにくく、コピーも取りにくくなります。
そのうえで、様式に番号を振っておくと、改訂したときに新旧が分かります。
教材や様式の改訂の管理は教材の管理にまとめてあります。
出席簿を電子にするとき
紙の署名をやめる場合、何で代えるかを決めます。
| 方法 | 証明の力 |
|---|---|
| 本人がフォームから送信 | 誰が送ったかが残る |
| 社員証やカードで読み取る | 入退室の記録として残る |
| 担当がシステムに入力 | 社内の記録としては足りる |
1つ目なら、本人の操作として記録が残ります。社内のアカウントで送ってもらう形にすると、なりすましも防げます。
電子にする場合も、出力できる形にしておきます。監査や助成金では、紙で求められることがあります。
移行のときは、しばらく両方を取ります。電子だけにして記録が取れていなかった、という事故を防ぎます。
そのうえで、法令で決まっている教育については、電子で足りるかを確かめてから移します。求められる形が決まっている場合があります。
よくある質問
- Q. 研修の出席簿に何を書きますか。
- 研修の名称・実施日と時間・場所・講師・内容・受講者の氏名と署名・所属の7つです。とくに「時間」を入れておくと使える場面が増えます。助成金や法令上の教育では、何時間受けたかが要件になることがあります。
- Q. 担当がまとめて記入してもよいですか。
- 社内の記録としては足りますが、証明としては弱くなります。本人の署名があると、その人が確かにその場にいたことを示せます。あとからまとめて入力する形はいちばん弱くなります。
- Q. 署名はいつもらいますか。
- 開始か終了かを決めておきます。途中で帰った人がいる場合、開始時だけだと実態と合いません。長い研修なら、午前と午後で2回取る形もあります。
- Q. オンラインの研修ではどうしますか。
- ツールの参加ログがいちばん手間なく残ります。ただし入室したまま離席している場合は分かりません。受講後にフォームで簡単な報告を出してもらう形と組み合わせます。
- Q. eラーニングでも出席簿が要りますか。
- システムに記録が残るので別に作る必要はありません。ただし、出力できるか、契約が切れたら記録がどうなるかを確かめます。年度ごとに出力して保存しておくと確実です。
- Q. どんな場面で求められますか。
- 助成金の申請、監査や審査、事故が起きたあと、取引先からの確認、行政の調査です。いちばん重いのは事故のあとで、その人が必要な教育を受けていたかが問われます。
- Q. どのくらい保存しますか。
- 法令で保存期間が決まっている教育があります。助成金を使った研修は要件に従います。迷ったら長いほうに合わせます。捨ててから求められると取り返しがつきません。
- Q. 研修ごとの記録だけで足りますか。
- あとから聞かれるのは人単位です。「この人は必要な教育を受けているか」という形になります。氏名・受けた研修と日付・時間数・修了の有無で、人ごとの一覧を別に持ちます。
- Q. 欠席した人はどう扱いますか。
- 対象者の一覧を先に作っておくと、出ていない人が洗い出せます。「対象10人中8人が出席」と書けるのは、対象を決めているからです。法令で決まっている教育なら、次の機会を必ず作ります。
- Q. 様式は研修ごとに作りますか。
- 1つに決めて、研修の名称と日付だけ変えます。下の欄に対象者数・出席者数・欠席者と理由を入れておくと、あとで数えなくて済みます。A4に収めると保管しやすくなります。
- Q. 電子にしてもよいですか。
- 本人がフォームから送る形にすると、誰が送ったかが残ります。ただし出力できる形にしておきます。法令で決まっている教育については、電子で足りるかを確かめてから移します。
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