評価と面談

1on1の進め方|話して終わりにしない記録の残し方

公開 2026-08-30 執筆 育成板 編集部

1on1を始めたものの、3回目には話すことが無くなって天気の話で終わる。あるいは、進捗の確認だけになって本人が身構える。どちらも、進め方が決まっていないときに起こります。

一般には、1on1とは、上司と部下が定期的に1対1で短く話す場を指します。評価面談と違うのは、評価を伝える場ではなく、本人の話を聞く場であるという点です。この記事では、1on1の進め方を、頻度と時間、話す順番、記録の残し方の順に整理します。

1on1面談記録表(Excel・無料)定期面談で話したこと、本人の希望、次回までの行動だけを残します。登録不要でダウンロードできます。
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この記事の内容(8項目)

1on1は、評価面談とは別のもの

2つを混ぜると、本人が身構えて話さなくなります。役割をはっきり分けておきます。

1on1評価面談
目的本人の話を聞く。困りごとを早く拾う評価を伝える。次の期を決める
頻度月1回か2回期に1回
時間15分から30分30分から45分
主に話す人本人半々
処遇との関係直接は無いある

評価に使わないと、最初に伝える

ここで話したことが評価に響くと思われると、当たり障りのない話しか出てきません。「この場は評価には使いません」と最初に伝えるだけで、内容が変わります。

主に話すのは、本人

上司が7割話していたら、それは1on1ではなく報告会です。本人が話す時間を、意識して長くとります。沈黙が続いても、こちらから埋めすぎないようにします。

始めるときに、目的を説明する

何のための時間か分からないまま呼ばれると、警戒されます。「困っていることを早めに拾いたい」と目的を伝えてから始めます。

月1回15分から始める

週1回30分を目指すと、忙しい時期に飛びます。飛ばさずに続けられる量から始めます。

理想から始める

週1回30分、全員と

2か月で予定が取れなくなる。
飛んだまま自然消滅する。
本人も期待しなくなる。

続く量から始める

月1回15分、全員と

飛ばずに1年続く。
足りなければ増やせばよい。
減らすより増やすほうが楽。

飛ばさないことが、いちばん大事

1回飛ぶと、次も飛びます。短くても、決めた日に必ずやるほうが、長い時間を不定期にやるより効きます。10分でも構いません。

新人と、そうでない人で頻度を変える

入って間もない人は、月1回では拾えないことがあります。最初の3か月は週1回、その後は月1回のように、時期で変えると無理がありません。

相手から日程を選べるようにする

一方的に日時を指定すると、都合が悪くても言えません。いくつかの候補から選んでもらうと、飛びにくくなります。

現場では、時間の作り方を工夫する

ライン作業や交代制の職場では、そもそも席を外せません。オフィス向けのやり方をそのまま持ち込むと、始められません。

場面時間の作り方
ライン作業交代の時間、始業前、昼休みの前後15分
交代制シフトの引き継ぎ時間に前後30分を作る
出張・直行直帰移動の前後、または電話で
人数が多い1日2人まで。1か月かけて全員と

まとめてやらない

1日に全員と面談しようとすると、時間が取れず内容も薄くなります。1日2人までにして、1か月かけて回ると続きます。

場所は、話が外に漏れない場所にする

現場の片隅で立ち話にすると、周囲に聞こえて本音が出ません。会議室が取れなくても、人のいない場所を選びます。座れるほうが望ましいですが、まずは場所を確保します。

作業を止められないなら、時間帯を変える

どうしても業務時間中に取れないなら、始業前や終業後に15分を確保するという方法もあります。ただし労働時間の扱いは、社内の決まりに従います。

話す順番を、3つに決めておく

その場で考えると、進捗の確認だけになります。順番を決めておくと、15分で回ります。

1on1 15分の進め方
1. 近況この1か月どうだったか(5分)
2. 困りごと止まっていることは(5分)
3. 次までお互いにやること(5分)
2が本題。ここに時間が使えるよう、1を短く切り上げる

困りごとは、具体的に聞く

「何か困っていることはある」と聞くと、「とくに無いです」で終わります。「今月、手が止まった場面はありましたか」と場面で聞くと出てきます。

その場で解決しようとしない

聞いた困りごとをすべてその場で解決しようとすると、時間が足りません。「持ち帰って確認します」と言えるほうが、正確な回答になります。いつまでに返すかを伝えます。

こちらのやることも、1つ決める

本人の宿題だけを決めて終わると、指示の場になります。こちらがやることも1つ決めると、対等な場になります。次回、その報告から始められます。

目標の確認と、兼ねてもよい

期の目標の進み具合は、1on1の中で確認できます。別の場を設けずに、この15分に入れると手間が減ります。進め方は目標設定と進捗管理にまとめています。

目標設定・進捗表(Excel・無料)期の初めに決めた目標と、途中の進み具合を並べます。登録不要でダウンロードできます。
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記録は3行でよい

詳しく書こうとすると続きません。次回につながることだけを残します。

残すこと書き方
日付実施した日
本人が話したこと要点を1行。本人の言葉で
次回までにやること本人の分と、こちらの分

その場で書く

面談のあとにまとめようとすると、次の作業に流されます。話しながら3行だけ書くと、2分で終わります。

本人にも見せる

本人の知らないところで記録されていると、警戒されます。書いたものをその場で見せると、認識のずれも防げます。

健康や私的な事情は、書かない

1on1では、家庭の事情や体調の話が出ることがあります。配慮が必要な情報は記録に残さないと決めておきます。対応が必要な場合は、人事に相談します。

次回、前回の記録から始める

前回決めたことの確認から始めると、話がつながります。「前回これをやると言っていましたが、どうでしたか」の1問で、その場が続きものになります。

出てきた希望を、行き止まりにしない

1on1で出た希望を聞き置くだけだと、次から本音が出なくなります。返すところまでを1件にします。

出てくる話次にどうつなぐか
やってみたい作業がある育成の計画に載せるか検討する
いまの担当がつらい作業の割り当てを見直す
異動を考えている正式な申告の仕組みへ案内する
道具や手順に不満がある改善の材料として拾う
人間関係の困りごと内容によっては人事に相談する

できないことは、できないと返す

あいまいにすると、期待だけが残ります。「今期は難しいですが、理由はこうです」と返すほうが、次も話してもらえます。

正式な申告と、1on1を分ける

異動の希望のように、会社として記録すべきものは正式な申告の仕組みで受けます。1on1の記録に書くだけだと、人事に届きません。運用は自己申告制度の運用で扱っています。

いつまでに返すかを、その場で言う

「確認します」だけだと、そのままになります。「来週までに返します」と期限を言うと、こちらも忘れません。

自己申告・異動希望 記録表(Excel・無料)本人が出した希望と、それに対する会社の回答を残します。登録不要でダウンロードできます。
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1on1が続かないときの直し方

始めたのに自然消滅する。原因は決まっています。

症状よくある原因直し方
3か月で飛ぶようになった頻度と時間が現実に合っていない月1回15分に減らす
話すことが無くなる順番が決まっていない近況、困りごと、次までの3つに固定する
本人が身構える進捗の確認になっている評価に使わないと明言する
上司ばかり話している沈黙を埋めている本人が話す時間を意識して取る
出た話が何も変わらない返していないできない場合も理由を返す

減らしてでも、続ける

やめるより、頻度を落として続けるほうが価値があります。月1回10分でも、切れないことが大事です。

新人には、別の形で厚くする

入って間もない時期は、月1回では足りません。最初の30日は別の確認表で細かく見ると、1on1の負担を増やさずに拾えます。見方は新人の早期離職を防ぐにまとめています。

やる側の負担も見る

10人の部下がいれば、月に10回の面談になります。1人あたりの人数が多すぎないかを見て、必要なら分担します。

1年続けてから、形を見直す

最初から完璧な形は作れません。1年やってみて、時間、頻度、話す順番を1つずつ直すと、2年目から回り始めます。

よくある質問

Q. 1on1と評価面談は、どう違いますか?
1on1は本人の話を聞いて困りごとを早く拾う場、評価面談は評価を伝えて次の期を決める場です。混ぜると本人が身構えて話さなくなるため、「この場は評価には使いません」と最初に伝えてください。それだけで内容が変わります。
Q. 1on1の頻度と時間は、どのくらいが適切ですか?
月1回15分から始めることをおすすめします。週1回30分を目指すと、忙しい時期に予定が取れなくなり、飛んだまま自然消滅します。足りなければ増やせばよく、減らすより増やすほうが楽です。ただし入って間もない人は、最初の3か月だけ週1回にするなど時期で変えてください。
Q. ライン作業や交代制の職場でも、1on1はできますか?
時間の作り方を変えれば可能です。交代の時間、始業前、昼休みの前後15分、シフトの引き継ぎ時間の前後などが使えます。1日に全員とやろうとせず、1日2人までにして1か月かけて回ると続きます。場所は、話が外に漏れない場所を選んでください。
Q. 話すことが無くなってしまいます。
順番を決めておいてください。この1か月の近況、いま困っていること、次回までにお互いがやることの3つで15分が回ります。とくに困りごとは「何か困っていることはある」と聞くと「とくに無いです」で終わるため、「今月、手が止まった場面はありましたか」と場面で聞いてください。
Q. 記録はどのくらい詳しく残すべきですか?
3行で足ります。日付、本人が話したことの要点を本人の言葉で1行、次回までにやることを本人の分とこちらの分です。話しながらその場で書けば2分で終わります。ただし家庭の事情や体調など、配慮が必要な情報は記録に残さないと決めておいてください。
Q. 1on1で出た希望は、どう扱えばよいですか?
返すところまでを1件にしてください。できない場合も「今期は難しいですが、理由はこうです」と返すほうが、次も話してもらえます。あわせて、異動の希望のように会社として記録すべきものは、1on1の記録に書くだけでは人事に届かないため、正式な申告の仕組みへ案内してください。
Q. 始めたものの、続かなくなりました。
やめるより、頻度を落として続けるほうが価値があります。月1回10分でも、切れないことが大事です。あわせて、上司ばかり話していないか、進捗の確認になっていないか、出た話に返せているかを確認してください。1年やってみて、時間、頻度、話す順番を1つずつ直すと、2年目から回り始めます。
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本記事は一般的な業務の進め方を整理したものです。社内規程、契約条件、法令上の要件がある場合は、それらを優先してご確認ください。記事の内容は2026-08-30時点のものです。