1on1の進め方|話して終わりにしない記録の残し方
1on1を始めたものの、3回目には話すことが無くなって天気の話で終わる。あるいは、進捗の確認だけになって本人が身構える。どちらも、進め方が決まっていないときに起こります。
一般には、1on1とは、上司と部下が定期的に1対1で短く話す場を指します。評価面談と違うのは、評価を伝える場ではなく、本人の話を聞く場であるという点です。この記事では、1on1の進め方を、頻度と時間、話す順番、記録の残し方の順に整理します。
この記事の内容(8項目)
- 1on1は、評価面談とは別のもの
- 評価に使わないと、最初に伝える
- 主に話すのは、本人
- 始めるときに、目的を説明する
- 月1回15分から始める
- 飛ばさないことが、いちばん大事
- 新人と、そうでない人で頻度を変える
- 相手から日程を選べるようにする
- 現場では、時間の作り方を工夫する
- まとめてやらない
- 場所は、話が外に漏れない場所にする
- 作業を止められないなら、時間帯を変える
- 話す順番を、3つに決めておく
- 困りごとは、具体的に聞く
- その場で解決しようとしない
- こちらのやることも、1つ決める
- 目標の確認と、兼ねてもよい
- 記録は3行でよい
- その場で書く
- 本人にも見せる
- 健康や私的な事情は、書かない
- 次回、前回の記録から始める
- 出てきた希望を、行き止まりにしない
- できないことは、できないと返す
- 正式な申告と、1on1を分ける
- いつまでに返すかを、その場で言う
- 1on1が続かないときの直し方
- 減らしてでも、続ける
- 新人には、別の形で厚くする
- やる側の負担も見る
- 1年続けてから、形を見直す
- よくある質問
1on1は、評価面談とは別のもの
2つを混ぜると、本人が身構えて話さなくなります。役割をはっきり分けておきます。
| 1on1 | 評価面談 | |
|---|---|---|
| 目的 | 本人の話を聞く。困りごとを早く拾う | 評価を伝える。次の期を決める |
| 頻度 | 月1回か2回 | 期に1回 |
| 時間 | 15分から30分 | 30分から45分 |
| 主に話す人 | 本人 | 半々 |
| 処遇との関係 | 直接は無い | ある |
評価に使わないと、最初に伝える
ここで話したことが評価に響くと思われると、当たり障りのない話しか出てきません。「この場は評価には使いません」と最初に伝えるだけで、内容が変わります。
主に話すのは、本人
上司が7割話していたら、それは1on1ではなく報告会です。本人が話す時間を、意識して長くとります。沈黙が続いても、こちらから埋めすぎないようにします。
始めるときに、目的を説明する
何のための時間か分からないまま呼ばれると、警戒されます。「困っていることを早めに拾いたい」と目的を伝えてから始めます。
月1回15分から始める
週1回30分を目指すと、忙しい時期に飛びます。飛ばさずに続けられる量から始めます。
理想から始める
週1回30分、全員と2か月で予定が取れなくなる。
飛んだまま自然消滅する。
本人も期待しなくなる。
続く量から始める
月1回15分、全員と飛ばずに1年続く。
足りなければ増やせばよい。
減らすより増やすほうが楽。
飛ばさないことが、いちばん大事
1回飛ぶと、次も飛びます。短くても、決めた日に必ずやるほうが、長い時間を不定期にやるより効きます。10分でも構いません。
新人と、そうでない人で頻度を変える
入って間もない人は、月1回では拾えないことがあります。最初の3か月は週1回、その後は月1回のように、時期で変えると無理がありません。
相手から日程を選べるようにする
一方的に日時を指定すると、都合が悪くても言えません。いくつかの候補から選んでもらうと、飛びにくくなります。
現場では、時間の作り方を工夫する
ライン作業や交代制の職場では、そもそも席を外せません。オフィス向けのやり方をそのまま持ち込むと、始められません。
| 場面 | 時間の作り方 |
|---|---|
| ライン作業 | 交代の時間、始業前、昼休みの前後15分 |
| 交代制 | シフトの引き継ぎ時間に前後30分を作る |
| 出張・直行直帰 | 移動の前後、または電話で |
| 人数が多い | 1日2人まで。1か月かけて全員と |
まとめてやらない
1日に全員と面談しようとすると、時間が取れず内容も薄くなります。1日2人までにして、1か月かけて回ると続きます。
場所は、話が外に漏れない場所にする
現場の片隅で立ち話にすると、周囲に聞こえて本音が出ません。会議室が取れなくても、人のいない場所を選びます。座れるほうが望ましいですが、まずは場所を確保します。
作業を止められないなら、時間帯を変える
どうしても業務時間中に取れないなら、始業前や終業後に15分を確保するという方法もあります。ただし労働時間の扱いは、社内の決まりに従います。
話す順番を、3つに決めておく
その場で考えると、進捗の確認だけになります。順番を決めておくと、15分で回ります。
困りごとは、具体的に聞く
「何か困っていることはある」と聞くと、「とくに無いです」で終わります。「今月、手が止まった場面はありましたか」と場面で聞くと出てきます。
その場で解決しようとしない
聞いた困りごとをすべてその場で解決しようとすると、時間が足りません。「持ち帰って確認します」と言えるほうが、正確な回答になります。いつまでに返すかを伝えます。
こちらのやることも、1つ決める
本人の宿題だけを決めて終わると、指示の場になります。こちらがやることも1つ決めると、対等な場になります。次回、その報告から始められます。
目標の確認と、兼ねてもよい
期の目標の進み具合は、1on1の中で確認できます。別の場を設けずに、この15分に入れると手間が減ります。進め方は目標設定と進捗管理にまとめています。
記録は3行でよい
詳しく書こうとすると続きません。次回につながることだけを残します。
| 残すこと | 書き方 |
|---|---|
| 日付 | 実施した日 |
| 本人が話したこと | 要点を1行。本人の言葉で |
| 次回までにやること | 本人の分と、こちらの分 |
その場で書く
面談のあとにまとめようとすると、次の作業に流されます。話しながら3行だけ書くと、2分で終わります。
本人にも見せる
本人の知らないところで記録されていると、警戒されます。書いたものをその場で見せると、認識のずれも防げます。
健康や私的な事情は、書かない
1on1では、家庭の事情や体調の話が出ることがあります。配慮が必要な情報は記録に残さないと決めておきます。対応が必要な場合は、人事に相談します。
次回、前回の記録から始める
前回決めたことの確認から始めると、話がつながります。「前回これをやると言っていましたが、どうでしたか」の1問で、その場が続きものになります。
出てきた希望を、行き止まりにしない
1on1で出た希望を聞き置くだけだと、次から本音が出なくなります。返すところまでを1件にします。
| 出てくる話 | 次にどうつなぐか |
|---|---|
| やってみたい作業がある | 育成の計画に載せるか検討する |
| いまの担当がつらい | 作業の割り当てを見直す |
| 異動を考えている | 正式な申告の仕組みへ案内する |
| 道具や手順に不満がある | 改善の材料として拾う |
| 人間関係の困りごと | 内容によっては人事に相談する |
できないことは、できないと返す
あいまいにすると、期待だけが残ります。「今期は難しいですが、理由はこうです」と返すほうが、次も話してもらえます。
正式な申告と、1on1を分ける
異動の希望のように、会社として記録すべきものは正式な申告の仕組みで受けます。1on1の記録に書くだけだと、人事に届きません。運用は自己申告制度の運用で扱っています。
いつまでに返すかを、その場で言う
「確認します」だけだと、そのままになります。「来週までに返します」と期限を言うと、こちらも忘れません。
1on1が続かないときの直し方
始めたのに自然消滅する。原因は決まっています。
| 症状 | よくある原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 3か月で飛ぶようになった | 頻度と時間が現実に合っていない | 月1回15分に減らす |
| 話すことが無くなる | 順番が決まっていない | 近況、困りごと、次までの3つに固定する |
| 本人が身構える | 進捗の確認になっている | 評価に使わないと明言する |
| 上司ばかり話している | 沈黙を埋めている | 本人が話す時間を意識して取る |
| 出た話が何も変わらない | 返していない | できない場合も理由を返す |
減らしてでも、続ける
やめるより、頻度を落として続けるほうが価値があります。月1回10分でも、切れないことが大事です。
新人には、別の形で厚くする
入って間もない時期は、月1回では足りません。最初の30日は別の確認表で細かく見ると、1on1の負担を増やさずに拾えます。見方は新人の早期離職を防ぐにまとめています。
やる側の負担も見る
10人の部下がいれば、月に10回の面談になります。1人あたりの人数が多すぎないかを見て、必要なら分担します。
1年続けてから、形を見直す
最初から完璧な形は作れません。1年やってみて、時間、頻度、話す順番を1つずつ直すと、2年目から回り始めます。
よくある質問
- Q. 1on1と評価面談は、どう違いますか?
- 1on1は本人の話を聞いて困りごとを早く拾う場、評価面談は評価を伝えて次の期を決める場です。混ぜると本人が身構えて話さなくなるため、「この場は評価には使いません」と最初に伝えてください。それだけで内容が変わります。
- Q. 1on1の頻度と時間は、どのくらいが適切ですか?
- 月1回15分から始めることをおすすめします。週1回30分を目指すと、忙しい時期に予定が取れなくなり、飛んだまま自然消滅します。足りなければ増やせばよく、減らすより増やすほうが楽です。ただし入って間もない人は、最初の3か月だけ週1回にするなど時期で変えてください。
- Q. ライン作業や交代制の職場でも、1on1はできますか?
- 時間の作り方を変えれば可能です。交代の時間、始業前、昼休みの前後15分、シフトの引き継ぎ時間の前後などが使えます。1日に全員とやろうとせず、1日2人までにして1か月かけて回ると続きます。場所は、話が外に漏れない場所を選んでください。
- Q. 話すことが無くなってしまいます。
- 順番を決めておいてください。この1か月の近況、いま困っていること、次回までにお互いがやることの3つで15分が回ります。とくに困りごとは「何か困っていることはある」と聞くと「とくに無いです」で終わるため、「今月、手が止まった場面はありましたか」と場面で聞いてください。
- Q. 記録はどのくらい詳しく残すべきですか?
- 3行で足ります。日付、本人が話したことの要点を本人の言葉で1行、次回までにやることを本人の分とこちらの分です。話しながらその場で書けば2分で終わります。ただし家庭の事情や体調など、配慮が必要な情報は記録に残さないと決めておいてください。
- Q. 1on1で出た希望は、どう扱えばよいですか?
- 返すところまでを1件にしてください。できない場合も「今期は難しいですが、理由はこうです」と返すほうが、次も話してもらえます。あわせて、異動の希望のように会社として記録すべきものは、1on1の記録に書くだけでは人事に届かないため、正式な申告の仕組みへ案内してください。
- Q. 始めたものの、続かなくなりました。
- やめるより、頻度を落として続けるほうが価値があります。月1回10分でも、切れないことが大事です。あわせて、上司ばかり話していないか、進捗の確認になっていないか、出た話に返せているかを確認してください。1年やってみて、時間、頻度、話す順番を1つずつ直すと、2年目から回り始めます。
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