評価と面談

目標設定と進捗管理|期末に慌てないための3回の確認

公開 2026-08-30 執筆 育成板 編集部

期の初めに目標を書いて提出し、次に開くのは期末。半年ぶりに見て、自分でも何を書いたか覚えていない。目標管理がこうなっている職場は少なくありません。

一般には、目標設定と進捗管理とは、期の初めに達成したいことを決めて、途中で進み具合を確かめ、期末に結果を見る一連の流れを指します。途中の確認が入るかどうかで、まったく別のものになります。この記事では、目標設定と進捗管理を、目標の決め方と、期中3回の確認という形で整理します。

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この記事の内容(8項目)

目標設定は、1人3つまでに絞る

目標が5つも6つもあると、どれも中途半端に終わります。3つまでにすると、途中で思い出せる量になります。

目標の種類中身の例数の目安
業務の目標担当する作業の品質、納期、件数1つか2つ
育成の目標新しく身につける作業、資格の取得1つ
役割の目標後輩の指導、改善の取り組み0か1つ

ポイントはここです。育成の目標を必ず1つ入れます。業務の目標だけだと、いまできることの範囲から出られません。

育成の目標は、スキルマップから引く

何を身につけるかで迷ったら、スキルマップの空欄から、次の1項目を選びます。組織として足りていないところと、本人の成長が同時に進みます。

本人に書かせてから、上司が調整する

上司が決めて渡すと、本人にとっては指示になります。本人が案を書き、上司が調整する順番にすると、期の途中で自分の目標として扱えます。

会社の方針との、つながりを一言添える

会社の目標をそのまま個人へ割り振ると、現場の作業と結びつきません。「この作業を1人でできるようになると、部署の納期が守れる」のように、つながりを1行で添えます。

目標の書き方は、達成が判定できる形にする

期末に「達成できたか」で揉めるのは、書き方が曖昧なときです。誰が見ても同じ判定になる形で書きます。

判定できない書き方

検査の精度を上げる
後輩の指導に力を入れる

できたかどうかを
本人と上司で言い合うことになる。

判定できる書き方

A製品の外観検査を、9月末までに
単独で担当できる状態にする

期日と、達成の条件がある。
途中でも、あとどれだけかが分かる。

期日を、期末以外にも置く

3つの目標すべてを期末に置くと、最後の1か月に集中します。期日をずらして置くと、途中の確認で1つずつ片付きます。

数字にしにくい目標もある

指導や改善の目標は、件数にすると形だけになりがちです。「後輩2人に、この作業を単独まで教える」のように、状態で書くと判定できます。

本人の努力で動かせる範囲にする

受注量や他部署の都合で決まる数字を目標にすると、本人にはどうにもなりません。本人が動かせることに絞ると、途中の打ち手も考えられます。

期中の確認は3回で足りる

毎月見るのは続きません。年に1回では手遅れです。3回に決めておくと、負担が小さいまま機能します。

期中3回の確認
1回目(1か月後)着手できているか
2回目(中間)間に合うか。組み替えるか
3回目(1か月前)詰めの手当て
期末結果を確認して面談
1回目が要。着手できていない目標は、たいてい期末まで手が付かない

1回目は、着手できているかだけを見る

1か月経って何も始まっていない目標は、期末まで手が付かないことがほとんどです。進み具合ではなく、始まっているかだけを聞くと、5分で終わります。

2回目で、組み替える判断をする

中間の時点で明らかに間に合わないなら、期日を延ばすか、目標そのものを変える判断をします。ここで手を打たずに期末を迎えると、達成できなかった理由を話すだけの面談になります。

確認は10分でよい

時間をかけると、次から予定が取れなくなります。1回10分、3つの目標を1つずつ確認する形にすると続きます。普段の面談の中に入れても構いません。

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目標を変えることを、失敗にしない

期の途中で状況が変わるのは普通のことです。変えられない目標は、途中から誰も見なくなります。

起きたこと目標の扱い記録に残すこと
担当する作業が変わった目標を差し替える変更した日と理由
設備の入れ替えで作業が無くなった削除して別の目標に同上
繁忙で機会が取れなかった期日を延ばす止まった期間
思ったより早く達成した次の目標を足す達成日

変更の理由を残す

理由が残っていないと、期末に「達成できなかった」ように見えます。変えた日と理由を1行書くだけで、評価のときに誤解されません。

会社側の都合による変更は、本人の評価に響かせない

異動や受注の変化で目標が変わったなら、それは本人の責任ではありません。変更の原因が会社側にあることを、記録に明記します。

早く達成したら、次を足す

目標が期の半ばで終わると、残りの期間が空きます。次の目標を1つ足すと、育成が止まりません。

進捗の記録は、評価の材料になる

期末に思い出しながら評価すると、直近の出来事に寄ります。3回の確認を記録しておくと、そのまま評価の材料になります。

残すもの評価でどう使うか
各回の進み具合期を通しての取り組みが分かる
止まった理由本人の要因か、環境の要因かを分ける
途中で打った手工夫した点を評価できる
目標の変更と理由未達に見える項目の背景が分かる

結果だけでなく、過程も見る

達成できなかった目標でも、途中で手を打った事実が残っていれば、そこを評価できます。結果だけを見ると、環境に恵まれた人が有利になります。

面談の前に、記録を読み返す

評価面談の前に3回ぶんの記録を読むと、話す材料がそろいます。事実を並べてから伝え方を考えると、面談が短く済みます。準備のしかたは評価面談の進め方にまとめています。

ばらつきを減らす材料にもなる

評価者ごとの点の付け方に差が出るのは、見ている事実が違うからです。同じ形式で進捗が残っていれば、評価者どうしで比べられます。詳しくは評価のばらつきを減らすで扱っています。

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現場の作業者にも合う目標にする

目標管理の仕組みは、事務や管理の仕事を前提に作られていることが多くあります。そのまま現場に持ち込むと、書けない人が出ます。

合わない目標現場に合う書き換え
業務改善を推進する担当工程の段取り時間を、10分短くする
チームに貢献する後輩1人に、この作業を単独まで教える
スキルアップを図るフォークリフトの技能講習を受け、単独作業の許可を得る
品質意識を高める担当工程の手直し件数を、月3件以下にする

日々の作業から出す

抽象的な言葉を使わず、その人が毎日やっている作業の中から目標を出すと、本人が書けるようになります。

書くのが難しい人には、面談で一緒に作る

用紙を渡して「書いてきて」だと、白紙で戻ってきます。面談の場で、いくつか候補を出しながら一緒に決めると、15分で終わります。

育成の目標は、育成カードとつなげる

期ごとの目標と、長い目で見た育成は別のものです。期の目標は進捗表、数年にわたる履歴は個人別の育成カードと分けると、どちらも読めます。

目標設定と進捗管理が形だけになるときの直し方

提出させているのに機能していない。原因は決まっています。

症状よくある原因直し方
期末まで誰も開かない途中の確認が無い期中3回の確認を予定に入れる
毎期ほぼ同じ内容本人が書き方に困っている面談で一緒に作る
達成したかで揉める判定できる書き方になっていない期日と達成の条件を書く
目標が5つ以上あるあれもこれも入れている3つまでに絞る
本人の努力で動かせない受注量など外の要因が目標本人が動かせることに絞る

まず、1回目の確認を入れる

いろいろ直す前に、期が始まって1か月後の確認を1回入れるだけで、着手率が変わります。5分で終わる確認です。

提出させることを目的にしない

全員から用紙が集まっても、使われていなければ意味がありません。集めた用紙を、いつ誰が開くのかを決めるところから直します。

1年やってみて、様式を直す

最初から完璧な様式は作れません。1年運用して、書きにくかった欄や使わなかった欄を直すと、2年目から回り始めます。

よくある質問

Q. 目標はいくつ設定するのが適切ですか?
1人3つまでをおすすめします。5つも6つもあると、どれも中途半端に終わり、途中で思い出すこともできません。業務の目標を1つか2つ、育成の目標を1つという配分にすると、いまできることの範囲から出られます。
Q. 達成したかどうかで揉めない書き方はありますか?
期日と達成の条件を入れてください。「検査の精度を上げる」ではなく「A製品の外観検査を、9月末までに単独で担当できる状態にする」と書くと、誰が見ても同じ判定になり、途中でもあとどれだけかが分かります。
Q. 期中の確認は、どのくらいの頻度で行えばよいですか?
3回で足ります。1か月後に着手できているか、中間で間に合うか、期末1か月前に詰めの手当てという形です。とくに1回目が重要で、1か月経って何も始まっていない目標は期末まで手が付かないことがほとんどです。1回10分で終わります。
Q. 期の途中で目標を変えてもよいですか?
変えて構いません。担当作業が変わった、設備が入れ替わった、繁忙で機会が取れなかったといった事情は普通に起きます。変えられない目標は途中から誰も見なくなります。ただし、変えた日と理由を1行残してください。会社側の都合による変更は、本人の評価に響かせないよう記録に明記します。
Q. 現場の作業者に、目標を書いてもらうのが難しいです。
抽象的な言葉ではなく、その人が毎日やっている作業の中から出してください。「業務改善を推進する」ではなく「担当工程の段取り時間を10分短くする」といった形です。用紙を渡して書いてきてもらうより、面談の場で候補を出しながら一緒に決めるほうが、15分で終わります。
Q. 目標が達成できなかった場合、評価はどうなりますか?
結果だけでなく過程も見ることをおすすめします。期中3回の確認を記録しておくと、途中で手を打った事実、止まった理由が本人の要因か環境の要因かが残ります。結果だけを見ると、環境に恵まれた人が有利になります。
Q. 目標設定シートと個人別育成カードは、どう使い分けますか?
期ごとの目標と進捗は目標設定・進捗表、数年にわたる育成の履歴は個人別育成カードと分けることをおすすめします。1枚にまとめると、期の目標を追うには情報が多すぎ、長期の履歴を見るには期の区切りが邪魔になります。
Q. 目標を提出させていますが、機能している実感がありません。
まず、期が始まって1か月後の確認を1回入れてみてください。5分で終わる確認ですが、着手率が変わります。あわせて、集めた用紙をいつ誰が開くのかを決めてください。全員から用紙が集まっても、開かれなければ提出させること自体が目的になってしまいます。様式は最初から完璧なものを作れないので、1年運用して書きにくかった欄や使わなかった欄を直すと、2年目から回り始めます。
目標設定・進捗表(Excel・無料)期の初めに決めた目標と、途中の進み具合を並べます。登録不要でダウンロードできます。
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本記事は一般的な業務の進め方を整理したものです。社内規程、契約条件、法令上の要件がある場合は、それらを優先してご確認ください。記事の内容は2026-08-30時点のものです。