評価と面談

評価面談の進め方|伝える前に事実を並べる

公開 2026-08-30 執筆 育成板 編集部

評価面談の日程が近づくと気が重くなる。とくに、思ったより低い評価を伝えなければならないときは、何をどう切り出すか迷います。

面談がうまくいかない原因は、話し方より準備の不足にあることがほとんどです。事実が手元にそろっていないと、抽象的な話になり、本人も何を直せばよいか分かりません。この記事では、評価面談の進め方を、事前の準備、話す順番、低い評価の伝え方の順に整理します。

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この記事の内容(8項目)

評価面談の準備は、事実を並べることから

面談の前にやるのは、伝え方を考えることではありません。その期に何があったかを、書き出すことです。

集めるものどこから使いどころ
目標の達成状況目標設定・進捗表結果の説明
期中に打った手3回の確認の記録過程の評価
できるようになった作業作業習熟確認表、スキルマップ成長した点
助かった場面普段の面談記録良い点を具体的に伝える
困った場面同上直してほしい点

良い点を、3つ以上そろえる

直してほしい点だけを準備すると、面談が指摘の場になります。良かった場面を、日付つきで3つ以上そろえてから臨みます。ここに時間をかけると、面談の空気が変わります。

1項目につき、事実を1つ用意する

「積極性が3点」と伝えるだけでは、本人は何を直せばよいか分かりません。その点を付けた根拠になる場面を、項目ごとに1つ用意します。用意できない項目があるなら、その評価は印象で付けている可能性があります。

伝える順番を、先に決めておく

その場で考えると、話があちこちに飛びます。準備の段階で、話す順番を紙に書いておくと、30分で終わります。

面談は、本人の話から始める

評価を先に伝えると、本人はその後の話を聞いていません。先に本人の自己評価を聞いてから、こちらの評価を伝えます。

面談の進め方 30分
1. 本人から自己評価と理由(10分)
2. こちらから評価と根拠(10分)
3. 差を話すずれた項目だけ(5分)
4. 次の期やることを決める(5分)
1を飛ばすと、本人は言い訳の機会を失ったと感じる。ここが納得感を左右する

自己評価と一致した項目は、短く済ませる

本人と評価が同じ項目は、確認するだけで構いません。時間をかけるのは、ずれた項目だけにすると、30分に収まります。

ずれた項目は、どちらが正しいかを争わない

「なぜそう思ったか」を先に聞くと、見ていた事実が違うことが分かります。本人が知らない場面があったのか、こちらが見ていない場面があったのかを確かめます。こちらの見落としだった場合は、評価を直して構いません。

次の期の話で終える

過去の話だけで終わると、面談が後ろ向きなまま終わります。最後の5分で、次の期に何をやるかを決めると、前を向いて終われます。目標の立て方は目標設定と進捗管理にまとめています。

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低い評価は、事実と行動に分けて伝える

言いにくさから遠回しに言うと、本人には伝わりません。かといって人格に触れると、話が止まります。起きた事実と、次にどうするかに分けます。

伝わらない言い方

「もう少し責任感を持って」
「意識を変えてほしい」

何をすればよいか分からない。
人格を否定されたと感じる。

伝わる言い方

「3回、期限の前日に相談が来ました。
次からは、間に合わない見込みが
立った日に教えてください」

事実と、次の行動がある。

回数と日付で言う

「よく遅れる」ではなく、「3回ありました」と数で言うと、本人も否定できません。日付まで言えると、記憶がつながります。

その場で初めて言わない

期末の面談で初めて指摘されると、本人は「言ってくれれば直した」と感じます。問題は、起きたときにその場で伝えておくのが前提です。面談は確認の場にします。

直せることに絞る

性格や向き不向きの話をしても、本人には動かせません。行動として直せることを1つか2つに絞って伝えます。数を増やすと、どれも印象に残りません。

評価と処遇を、分けて説明する

評価が低くても、処遇は別の要素も含めて決まります。評価の説明と、処遇の説明を混ぜないと、話が整理できます。

納得されないときの受け方

その場で納得させようとすると、押し問答になります。納得は目的ではなく、理解が目的です。

本人の反応受け方やらないこと
他の人と比べて不公平だ他の人の評価は話さず、本人の事実だけを説明する他の人の評価を持ち出す
その場面は見ていないはずだ誰から聞いたかを含めて確認するあいまいなまま押し通す
環境のせいだ環境の要因を認めたうえで、動かせた部分を話す環境を全部否定する
黙ってしまう持ち帰って、後日もう一度話す沈黙のまま終わらせる

持ち帰ってよい

その場で結論を出す必要はありません。「確認してもう一度話します」と言えるほうが、間違った評価を通すより誠実です。

こちらの見落としなら、直す

本人の言い分に理があれば、評価を直します。直した実績があると、次から本音が出るようになります。変えられない前提だと、面談が形式になります。

不満の内容を、記録に残す

同じ不満が複数の人から出るなら、基準の書き方や周知に問題があります。個別の対応で終わらせず、次の期に直す材料にします。ばらつきの直し方は評価のばらつきを減らすで扱っています。

評価のばらつき確認表(Excel・無料)評価者ごとの評価の付き方を並べ、基準の差を見つけます。登録不要でダウンロードできます。
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本人の希望を、この場で聞いておく

評価を伝えるだけで終わると、こちらから話すだけの場になります。本人が今後どうしたいかを聞くと、次の育成につながります。

聞くこと次にどう使うか
やってみたい作業、工程多能工化や配置の判断に使う
取りたい資格取得支援の対象を検討する
困っていること環境の側で直せることを探す
異動の希望人員の計画に反映する

希望には、必ず回答を返す

聞いておいて何も返さないと、次から本音が出なくなります。実現できないなら、できない理由を返します。返答が来ることが分かれば、次も言ってもらえます。

その場で約束しない

配置や処遇は、1人の判断では決められません。「持ち帰って検討します」と言い、いつまでに返すかを伝えるのが安全です。

記録に残して、次の面談で確認する

聞いた希望が記録に残っていないと、半年後には忘れられています。希望と、それに対する回答を残すと、次の面談で続きから話せます。運用は自己申告の記録で扱います。

面談の時間と場所を、軽く見ない

内容が良くても、環境が悪いと話せません。準備のうちに含めます。

条件目安理由
時間30分から45分短いと形式的になり、長いと集中が切れる
場所会話が外に聞こえない部屋評価の話は個人情報になる
時間帯作業の区切り作業が気になっていると聞いていない
座り方正面より、斜めか横正面は圧迫感が出る

立ち話で済ませない

忙しいときほど、現場で立ったまま伝えたくなります。評価の話を立ち話にすると、本人は軽く扱われたと感じます。10分でも、座って話す場を取ります。

日時を、事前に伝える

急に呼ばれると、身構えてしまいます。1週間前に日時を伝えて、本人にも準備してもらうと、自己評価を持ってきてもらえます。

途中で中断しない

電話や呼び出しで中断すると、話が戻りません。その時間は席を外す前提で予定を組みます。

評価面談がうまくいかないときに見るところ

毎回重い空気になる、話が続かないなら、面談の外に原因があります。

症状よくある原因直し方
本人が黙ってしまう評価を先に伝えている本人の自己評価から始める
抽象的な話しかできない事実が手元に無い期中に事実を記録する
初めて聞いたと言われる問題をその場で伝えていない起きたときに伝えておく
毎回言い訳になる環境の要因を認めていない環境と本人の分を分けて話す
次の行動が決まらない時間切れになっている最後の5分を先に確保する

普段の面談があると、期末が楽になる

半年ぶりに話す相手に、評価を伝えるのは難しくなります。月1回でも短く話す機会があると、期末の面談が確認だけで済みます。

面談だけを直しても、限界がある

評価そのものが印象で付いていると、面談の進め方を工夫しても納得は得られません。期中に事実を集めるところから直すのが本筋です。

1回で全部を解決しようとしない

1回の面談で伝えられることは限られています。今回はここまで、と決めて臨むほうが、結果として伝わります。

よくある質問

Q. 評価面談の準備では、まず何をすればよいですか?
伝え方を考える前に、その期に何があったかを書き出してください。目標の達成状況、期中に打った手、できるようになった作業、助かった場面、困った場面の5つを集めます。とくに良かった場面は日付つきで3つ以上そろえてから臨むと、面談の空気が変わります。
Q. 評価と自己評価、どちらを先に話すべきですか?
本人の自己評価から聞いてください。評価を先に伝えると、本人はその後の話を聞いていません。自己評価と一致した項目は確認だけで済ませ、ずれた項目にだけ時間をかけると30分に収まります。
Q. 低い評価は、どう伝えればよいですか?
起きた事実と、次にどうするかに分けて伝えてください。「もう少し責任感を持って」ではなく「3回、期限の前日に相談が来ました。次からは間に合わない見込みが立った日に教えてください」という形です。回数や日付で言うと本人も否定できず、次の行動も分かります。
Q. 期末の面談で初めて指摘すると、なぜよくないのですか?
本人が「言ってくれれば直した」と感じるためです。問題は起きたときにその場で伝えておくのが前提で、面談は確認の場にしてください。期末に初めて出す指摘は、内容が正しくても納得されにくくなります。
Q. 評価に納得してもらえない場合、どうすればよいですか?
その場で納得させようとせず、なぜそう思うのかを先に聞いてください。見ていた事実が違うだけのことが多くあります。こちらの見落としだった場合は評価を直して構いません。直した実績があると、次から本音が出るようになります。結論はその場で出さず、確認してもう一度話す形でも構いません。
Q. 他の人と比べて不公平だと言われました。
他の人の評価は持ち出さず、本人についての事実だけで説明してください。他人の評価を話すことは、その人の個人情報を漏らすことにもなります。同じ不満が複数の人から出ている場合は、基準の書き方や周知のほうに問題があるため、次の期に直す材料としてください。
Q. 面談の時間や場所は、どのくらい気にすべきですか?
内容が良くても環境が悪いと話せないため、準備のうちに含めてください。30分から45分、会話が外に聞こえない部屋、作業の区切りの時間帯が目安です。忙しいときほど現場で立ったまま伝えたくなりますが、評価の話を立ち話にすると本人は軽く扱われたと感じます。
評価面談 準備シート(Excel・無料)評価を伝える前に、事実と伝え方を整理しておきます。登録不要でダウンロードできます。
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本記事は一般的な業務の進め方を整理したものです。社内規程、契約条件、法令上の要件がある場合は、それらを優先してご確認ください。記事の内容は2026-08-30時点のものです。